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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

運動することで認知症を予防できますか?

認知症 生活習慣
「Effect of a 24-Month Physical Activity Intervention vs Health Education on Cognitive Outcomes in Sedentary Older Adults: The LIFE Randomized Trial.」
PMID: 26305648

PECO

P : 認知症と診断されていない又は認知機能の低下がみられていない、座りがちな生活を送っている70~89歳の患者(米国8施設、1635人)
E : 週に3~4回、30分の歩行・10分の筋力トレーニング・10分のバランストレーニング・柔軟体操等の身体活動への介入(818人)
C : 健康への教育や上肢のストレッチ(817人)
O : 24ヶ月後のDSCタスクスコア又はホプキンス言語学習テスト改訂版(HVLT-R)による認知機能の評価(どちらも点数が高いほど認知機能が高い)

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験
・真のアウトカムか? : 代用のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 認知機能の評価ということで明確であると考える
・ランダム化が行われているか? : 行われている
・盲検化が行われているか? : 認知機能の評価者のみマスクされている
・ITT解析が行われているか? : 行われている
・追跡率 : 90.3%
・患者背景 : 特に気になるような偏りは見られない。平均年齢78.9歳。ベースライン時のDSCタスクスコア : E群45.99点・C群47.01点、ベースライン時のHVLT-R Immediate word recall: E群23.44点・C群23.18点、HVLT-R Delayed word recall  : E群7.79単語・C群7.70単語。
・サンプルサイズ : 1600人(検出力87%)

結果

・DSCタスクスコア 
身体活動群46.26点 vs 健康教育群46.28点→群間差-0.01点(95%信頼区間-0.80~0.77)、P=0.97

・HVLT-R Immediate word recall(時間を置かずに記憶している単語を評価?)
身体活動群22.83点 vs 健康教育群22.97点→群間差-0.14点(95%信頼区間-0.58~0.29)、P=0.52

・HVLT-R Delayed word recall(時間を置いて記憶している単語を評価?)
身体活動群7.22単語 vs 健康教育群7.25単語→群間差−0.03単語(95%信頼区間−0.29~0.24)、P=0.52

主要評価項目ではありませんが、軽度認知障害・認知症の発症についても有意な差は見られていない。

感想

以前読んだ論文では軽度の認知機能低下が認められる人達に厳格で多面的な介入を行うことでわずかながら有意なスコアの低下が見られましたが、

認知機能の低下が見られない人達に身体活動のみの介入を行ってもスコアの改善は見られなかったという結果ですが、そもそも2年間で両群共に大きなスコアの低下は見られていないように感じます。

認知症の予防のために運動することを薦めるということについては疑問を投げかける結果ですが、筋肉量の維持等については意義があるのでしょうね。