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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

脳梗塞で入院した心房細動患者はワルファリンを開始することでどれだけ自宅で過ごせるか?

「Real world effectiveness of warfarin among ischemic stroke patients with atrial fibrillation: observational analysis from Patient-Centered Research into Outcomes Stroke Patients Prefer and Effectiveness Research (PROSPER) study」

PMID: 26232340
 

PECO

P : 虚血性脳卒中で入院した心房細動を有する患者(12552人)
E : ワルファリン開始(11039人)
C : 抗凝固薬による治療なし(1519人)
O : 虚血性脳卒中の再発や合併症なしに家で過ごせる時間・MACE(総死亡・心血管イベントによる入院・合併症による入院の複合エンドポイント)
 

チェック項目

・研究デザイン : 後ろ向きコホート研究
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・交絡因子の調整は? : propensity scoreによるマッチングが行われている。年齢・性別・人種・脳卒中/一過性脳虚血発作、冠動脈疾患/心筋梗塞、頸動脈狭窄症、末梢血管疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病の既往・喫煙歴・救急への搬送・NIHSS・病院のベッドの大きさ・一年の虚血性脳卒中の回数・一次の脳卒中センター・地域・暦年・降圧薬・スタチン・抗血小板薬について調整されている。
・対象の代表性は? : 米国のメディケア受給者に対する観察研究のため対象は高齢者・障害者。
・追跡期間 : 平均2年間

結果

・MACE : E群(54.7%) vs C群(66.8%)→調整ハザード比0.87(95%信頼区間0.78~0.98)P=0.003、NNT=9
 
・家で過ごせる時間 : E群(平均468.3日) vs C群(平均389.0日)→調整後、E群の方が2年間で47.6日長い(95%信頼区間26.9~68.2、P<0.001)
 
主要評価項目ではありませんが、
・総死亡 : E群(32.4%) vs C群(50.0%)→調整ハザード比0.72(95%信頼区間0.63~0.84)P<0.001、NNT=6
 

感想

本文中に「Unlike randomized clinical trials, the decision to treat in “real world” practice is often based on prognostic factors.」などと書かれていますが、リアルワールドでの高齢(本研究では平均81.6歳)の心房細動を有する脳梗塞入院患者にワルファリンを開始する事の有用性が示されています。
 
既にエビデンスが確立されている感のあるワルファリンですが、それにしても僕は初めて見ましたが「どれだけ家にいられるか?」というのは面白いアウトカムですね。