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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

ビマプロストは睫毛貧毛症にどれくらい効果がありますか?また、安全に使えますか?

今回はビマプロストと睫毛について検討されているRCTを2つほど。
 

①「Bimatoprost for eyelash growth in Japanese subjects: two multicenter controlled studies.」

PMID: 24643895
 
[PECO]
P : 20歳以上のGEAスコアが1~2である特発性睫毛貧毛症(173人)又は化学療法による睫毛貧毛症(36人)の患者(日本)
E : ビマプロスト0.03%をブラシで1日1回4ヶ月間上まぶたに塗布する(106人)
C : プラセボをブラシで1日1回4ヶ月間上まぶたに塗布する(103人) 
O : GEAスコアを基準にした睫毛の変化・有害事象
 
[チェック項目]
・研究デザイン : ランダム化比較試験
・真のアウトカムか? : 代用のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化が行われているか? : 行われている
・盲検化が行われているか? : 二重盲検が行われている
・ITT解析が行われているか? : 行われている
・追跡率 : 100%
・追跡期間 : 5ヶ月
・患者背景 : 特に気になるような偏りは見られない。平均年齢40.8歳・女性89.6%。
・サンプルサイズ : 特発性睫毛貧毛症が126例(検出力90%)
 
[結果]
〇4ヶ月後にGEAスコアを少なくとも1グレード改善
・特発性睫毛貧毛症→E群(77.3%) C群(17.6%) P<0.001
・化学療法による睫毛貧毛症→E群(88.9%) C群(27.8%) P<0.001
 
副次評価項目では
・特発性睫毛貧毛症→C群ではベースライン時から大きな変化が見られなかったが、E群では睫毛の長さが+1.62mm・睫毛の豊かさ+0.35mm2・睫毛の色の濃さ-12.02(負の値は睫毛の色が濃くなることを示す) 変化していた。
・化学療法による睫毛貧毛症→睫毛の長さ[E群 +2.65mm vs C群+0.99mm P=0.003]・睫毛の豊かさ[E群 +0.76mm2 vs C群 +0.28mm2 P=0.007]・睫毛の色の濃さ[E群 -21.07 vs C群 -4.60 P=0.04]
 
〇有害事象
全ての有害事象の発生に有意な差は見られなかった[E群 41.4% vs C群 37.6% P=0.643]。
E群では特発性睫毛貧毛症で鼻咽頭炎(13.8%)・結膜充血(4.6%)・点状角膜炎(3.4%)・目やに(3.4%)・色素沈着(3.4%)
 
 
主要評価項目が代用のアウトカムでスコアの基準があまり明確ではないように感じるので注意が必要ですが、4ヶ月の使用で重篤な副作用は見られず、有意に睫毛減貧症を有意に改善しています。
結膜充血や角膜炎等の有害事象が若干見られているものの、有意な差は見られていないため薬剤以外にブラシを使用することによるものがあるかもしれません。眼球に触れないようにする・強く擦らない等の注意が必要かなと思います。
 
 
②「Long-term safety and efficacy of bimatoprost solution 0·03% application to the eyelid margin for the treatment of idiopathic and chemotherapy-induced eyelash hypotrichosis: a randomized controlled trial.」
PMID: 25296533
 
[PECO]
P : 18歳以上でGEAスコアが1~2である特発性睫毛減毛症(238人)又は化学療法による睫毛貧毛症(130人)の患者(米国・欧州の39施設)
E : ビマプロストを6ヶ月間使用(275人)
C : プラセボを6ヶ月間使用(93人)
O : GEAスコアが少なくとも1グレード改善及びESQ(患者へのアンケート)が少なくとも3点改善の複合エンドポイント・有害事象
 
[チェック項目]
・研究デザイン : ランダム化比較試験
・真のアウトカムか? : 代用のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化が行われているか? : 行われている
・盲検化が行われているか? : 行われている
・ITT解析が行われているか? : 行われている
・追跡率 : 85%
・追跡期間 : 12ヶ月
・患者背景 : ほぼ同等
・サンプルサイズ : 「The study was sized to have adequate power to evaluate the primary efficacy variable」とだけ記載されている。(protocolは見付けられず)
 
[結果]
〇GEAスコア/ESQの改善
①特発生性睫毛貧毛症
・4ヶ月時点→E群(40.2%) C群(6.8%) P<0.001
・6ヶ月時点→E群(47.5%) C群(3.4%) P<0.001
 
②化学療法による睫毛貧毛症
・4ヶ月時点→E群(37.5%) C群(18.2%) P=0.04
・6ヶ月時点→E群(46.9%) C群(18.2%) P<0.01
 
副次評価項目である睫毛の長さ・豊かさ・濃さについても全て有意に改善している。
 
治療効果は2ヶ月後まで持続していたが、4~6ヶ月後には効果が減弱していた。
 
〇有害事象
治療群で重篤な有害事象は見られなかった。
E群では結膜充血(12.1%)・点状角膜炎(5.6%)・まぶたの痒み(4.7%)・紅斑(4.2%)が見られた。
 
 
患者の主観が入った複合エンドポイントでは①の論文と比べると改善率が低くなっているようです。
 
 

感想

でも高いんだよなー