【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

ピーナッツを食べるとピーナッツアレルギーが予防できる?

「Randomized trial of peanut consumption in infants at risk for peanut allergy.」

PMID: 25705822
 
・研究デザイン : ランダム化比較試験
 

PECO

P : 重度の湿疹又は卵アレルギーのどちらか又は両方を有する4ヶ月以上11ヶ月未満の乳児(640人、英国1施設)
E : 6g/週以上のピーナッツプロテインを3回以上の食事で摂取(321人)
C : ピーナッツを避ける(319人)
O : 生後60ヶ月時点でのピーナッツアレルギー
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化が行われているか? : 行われている
・盲検化が行われているか? : オープンラベル
・ITT解析が行われているか? : 行われている
・追跡率 : 98.1%
・患者背景 : 特に気になるような偏りは見られない。ベースライン時の年齢中央値7.8ヶ月。 
・サンプルサイズ : 640人(検出力91%)
 

結果

・ベースライン時のプリックテストが陰性だった群(542人)
E群(1.9%) vs C群(13.7%)→絶対リスク差11.8%(95%信頼区間3.4~20.3)、P<0.001、NNT=9
 
・ベースライン時のプリックテストが陽性だった群(98人)
E群(10.6%) vs C群(35.3%)→絶対リスク差24.7% (95%信頼区間4.9~43.3)、P=0.004、NNT=4
 

感想

そもそもピーナッツアレルギーの発症リスクが高いと思われる乳児が対象のため、そうでなければ早期からピーナッツを食べさせるというような事は行わなくても良いと思いますが、ピーナッツアレルギーの発症リスクが高いと思われる場合、死亡や重篤な副作用に有意な差は見られず安価で中止するのも容易なため、子供が嫌がらず、親が負担でなく、誤嚥しないように工夫するのであれば、ピーナッツアレルギーの発症予防のためにピーナッツを含む食品を食べさせるというのは「アリ」なのかなと思いました。