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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

NOACはワルファリンと比べて安全に始められるか?

「Comparison of the Short-Term Risk of Bleeding and Arterial Thromboembolic Events in Nonvalvular Atrial Fibrillation Patients Newly Treated With Dabigatran or Rivaroxaban versus Vitamin K Antagonists: A French Nationwide Propensity-Matched Cohort Study.」

PMID: 26199338
 
・研究デザイン : 後ろ向きコホート研究
 

PECO

P : 非弁膜症性心房細動を有する患者(104527人、フランス)
E : ダビガトラン(18974人)又はリバーロキサバン(19815人)の開始
C : ワルファリンの開始(65743人)
O : 開始後90日間の出血による入院、出血による入院と総死亡の複合エンドポイント
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・調整された交絡因子は? : 傾向スコアマッチングが行われている。(詳細は不明だが、年齢・性別・喫煙・飲酒・疾患・併用薬・CHA2DS2-VAScスコア・HAS-BLEDスコアについて調整されている?)
・対象集団の代表性は? : 一般診療のデータベースが使われており、外的妥当性は低くないものと思われる
・追跡期間 : 90日間
 

結果

①出血による入院
・ダビガトラン群→ハザード比0.88(95%信頼区間0.64-1.21)
・リバーロキサバン群→ハザード比0.98(95%信頼区間0.64-1.51)
 
②出血による入院と総死亡の複合エンドポイント
・ダビガトラン群→ハザード比0.90(95%信頼区間0.75-1.09)
・リバーロキサバン群→ハザード比1.02(95%信頼区間0.77-1.35)
 
用量別でも全て有意差は見られない。
また、副次評価項目である血栓塞栓症についても有意な差は見られていない。
 

感想

ワルファリンは半減期が長く、血漿タンパク結合率が高く、食事の影響を受けやすい等々で導入時の出血イベントや血栓塞栓症が比較的多いとされていますが、NOACの導入でもワルファリンと比較して有意な差は見られていません。
 
導入時は当然NOACでもワルファリン同様注意が必要ですが、「開始したときの安全性を考えてNOACを選択」に対しての疑問が示唆されています。(なんか良い表現が思い浮かばない)
 
まあフランスに納豆はないと思われるので、日本ではまた違う結果になるのかもしれませんが。