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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

スタチンは心不全の予防に効果があるのか?

心不全 脂質異常症・脂質降下薬

「The effect of statin therapy on heart failure events: a collaborative meta-analysis of unpublished data from major randomized trials.」

PMID: 25802390
 

PECO

P : 17試験に参加した132568人(平均年齢63歳、女性29%)
E : ①スタチン ②スタチン強化療法
C : ①プラセボ・標準治療 ②中等度用量のスタチン
O : 非致死性心不全による初回の入院・心不全による死亡及び非致死性心不全による初回の入院又は心不全による死亡の複合エンドポイント
 

チェック項目

・研究デザイン : 未発表の研究も含まれるメタ解析
 
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
 
・一次アウトカムは明確か? : 複数設定されている
 
・評価者バイアス : 「Two researchers independently reviewed abstracts and manuscripts to identify relevant trials. 」の記載あり。
 
・出版バイアス : Funnel plotを用いて検討されており、「there was no statistical evidence of publication bias.」と記載されている。
 
・元論文バイアス : Jadad scoreを用いて検討されており、「Trials were generally of high quality with a median Jadad score of 5 (range 3–5). 」と記載されている。
 
・異質性バイアス : 異質性検定が行われており、「There was little statistical evidence of heterogeneity for all these analyses(I2 0%)」と記載されている。
 
・資金源 : 「This project was not supported by external funding」の記載あり。
 
・平均追跡期間 : 4.3年(SD1.4年)
 

結果

①非致死性心不全による初回の入院
E群(2.03%) vs C群(2.26%)→リスク比0.90(95%信頼区間0.84~0.97)、NNT=435
 
②心不全による死亡
E群(0.37%) vs C群(0.38%)→リスク比0.97(95%信頼区間0.80~1.17)、NNT=10000
 
③非致死性心不全による初回の入院又は心不全による死亡の複合エンドポイント
E群(2.14%) vs C群(2.32%)→リスク比0.92(95%信頼区間0.85~0.99)、NNT=556
 

感想

心不全による入院と複合エンドポイントについては有意なリスク低下が見られるが、心不全による死亡では有意な差が見られていない。
また、心不全による入院に対する5年間のNNTが一次予防群で1454(有意差は見られない)、二次予防群で200(95%信頼区間126~574)、混合群で552(有意差は見られない)と記載されており、一次予防と二次予防ではやはり差が見られる結果となっている。
 
心不全に対するスタチンの効果は限定的であると感じる。