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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

チアシードで痩せる事はできますか?~case4

サプリメント 生活習慣

今回も頂いた疑問について調べてみたいと思います。

まずは定式化された疑問を。

 
P : 便秘薬を飲むには抵抗がある20~30代女性
E : チアシードは
C : 他の便秘薬と比較して
O : 便秘を解消する効果があるか?痩せるか?
 
チアシードを飲むことにより便秘が解消され、痩せる効果があるのかという疑問ですが、そもそも便秘解消が痩せる事に繋がるのかはまた別に検証してみる必要があるかとは思いますが、ひとまずチアシードによって痩せる事が出来るのか調べてみたいと思います。
 
 
とその前に私はチアシードというものが何なのか全く知らなかったのですが、ありがたいことにeconomicscience先生が教えて下さいまして、サルビア・ヒスパニカと呼ばれるシソ科の植物の果実で、要するに刺し身のつまの紫蘇の実のようなものだとの事です。
食物繊維・ω-3脂肪酸・ミネラルが豊富に含まれ、便秘解消だけでなく健康管理にも役立つというような触れ込みで最近注目されている食品のようですね。
 
「ダイエット、便秘解消で注目を集めるチア・シードとは」-All About https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&url=http://allabout.co.jp/gm/gc/439091/&ved=0CCkQFjACahUKEwiu-_L01dLGAhUIBY4KHci0A4c&usg=AFQjCNGicMw5C5Jo_ArpwMQ4ZJIsHuUncQ&sig2=Qe9CS1UZCCnfaueT53gwTw        

 

では、Pubmedで見つけることができた関連するような論文を3報読んでみたいと思います。


①「A dietary pattern including nopal, chia seed, soy protein, and oat reduces serum triglycerides and glucose intolerance in patients with metabolic syndrome.」

PMID: 22090467

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22090467


[PECO]

P : 20~60歳でBMI≧25のメキシコ人(93人)

E : 食事制限+乾燥サボテン7g・オート麦22g・大豆プロテイン32g・チアシード4g(46人)

C : 食事制限+プラセボ(47人)

O : 身体計測・生化学的な検査の値の変化


[チェック項目]

・研究デザイン : ランダム化比較試験

・真のアウトカムか? : 代用のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 複数設定されている

・ランダム化が行われているか? : 行われている

・盲検化が行われているか? : 二重盲検が行われている

・ITT解析が行われているか? : 行われていない

・追跡率 : 72%

・追跡期間 : 2ヶ月

・患者背景 : 不明

・サンプルサイズ : 各群35人(検出力90%)


[結果]

「BW, BMI, and WC decreased from baseline to 2 mo (P , 0.0001) in both groups, but there were no changes in the percentages of the lean or fat mass in either group after the dietary treatment」と記載されており、2ヶ月後のE群とC群の比較では明確な差は見られなかったようです。生化学な検査については割愛させていただきますが、概ねあまり良い結果は見られていない印象です。


チアシード単独ではなく、また便秘薬との比較ではありませんが、プラセボとの比較で2ヶ月では体重減少に対する効果に差は見られず、むしろ食事制限が体重減少には効果があったという結果でした。

症例数は少なく、内的妥当性もやや低めかなという印象です。


②「Chia seed does not promote weight loss or alter disease risk factors in overweight adults.」

PMID: 19628108

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19628108


[PECO]

P : 20~70歳の過体重の成人(76人)

E : チアシード25g/日(39人)

C : プラセボ(37人)

O : 身体計測・血液検査の値の変化


こちらは抄録しか読めませんが、単盲検が行われている追跡期間が12週間のランダム化比較試験で、結果は「Pre-to-post measures of body composition, inflammation, oxidative stress, blood pressure, and lipoproteins did not differ between CS and P for both sexes.」と記載されており、プラセボとの比較及び介入前と介入後の比較では有意な差が見られていないようです。


③「Chia seed supplementation and disease risk factors in overweight women: a metabolomics investigation.」 

PMID: 22830971

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22830971


[PECO]

P : 49~75歳でBMI≧25の女性(62人)

E : チアシード25g/日

C : プラセボ

O : 身体計測・生化学的検査の変化


こちらも抄録のみしか読めませんが、二重盲検が行われている追跡期間10週間のランダム化比較試験で、結果は「Pre-to-post measures of body composition, inflammation, blood pressure, augmentation index, and lipoproteins did not differ between chia seed (whole or milled) and placebo groups (all interaction effects, p>0.05)」とこちらでもプラセボとの比較及び介入前と介入後の比較で有意な差は見られないという結果です。


残念ながら便秘薬と比較した論文は見当たらず、初めのPECOに合致した結果ではないですが、少なくとも3ヶ月以内ではチアシードを摂取することによる体重減少の効果は今のところ見られておらず、ダイエットを目的にお金を出して買うだけの価値は個人的には感じられません。


ここからはエビデンスに基づかない余談ですが、沢山の栄養素が含まれており健康に良いとされているチアシードですが(検査値についてもあまり良い結果は得られていませんが…)、例えば食べ物が充分に手に入りづらい地域や時代であればそういったものももしかしたら必要な場面もあるのかもしれませんが、食べ物が豊富にあり普段の食事から様々な栄養素が摂取できる状況にある現代の日本において、食事以外にそういった食品を積極的に摂取することがどれほど意義があることなのか個人的には疑問に思います。

妊婦の方に葉酸等一概には言えないとも思いますが。


ということで今回は以上です。

今後も自分では解決できないでいる臨床疑問ながある方は是非とも宜しくお願いいたします!