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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

糖質制限を行う事で何か害はありますか?

生活習慣 糖尿病・血糖降下薬
「Low-carbohydrate diets and all-cause mortality: a systematic review and meta-analysis of observational studies.」
PMID: 23372809

PECO

P : 9研究に参加した患者(総死亡 : 272216人、心血管疾患死 : 249272人 )
E : 炭水化物摂取の割合をスコア化し、炭水化物摂取の割合が低い(30~40%)
C : 炭水化物摂取の割合が高い(60~70%)
O : 総死亡・心血管疾患死・心血管疾患の発症

チェック項目

・研究デザイン : メタ解析

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム

・一次アウトカムは明確か? : 複数設定されている

・評価者バイアス : 「We reviewed each full-text report to determine its eligibility and extracted and tabulated all the relevant data independently.」の記載あり

・出版バイアス : 「The observational studies were scarce and moderately heterogeneous, and thus a publication bias and a residual confounding bias may have existed although we cannot assess these hypotheses.」の記載あり

・元論文バイアス : 観察研究が含まれており、「The quality of the studies that were included in the meta-analysis were further evaluated using Newcastle-Ottawa Scale with a score of 5 or less (out of 8) indicating a high risk of bias.」の記載あり

・異質性バイアス : 異質性検定が行われている。視覚的に見て、ブロボグラムの方向性が概ね一致している。

結果

[総死亡]
①低炭水化物群→リスク比1.31(95%信頼区間1.07~1.59)、異質性 : I2=53%・P=0.09
②低炭水化物及び高タンパク質群→リスク比1.30(95%信頼区間1.01~1.68)、異質性 : I2=65%・P=0.04

[心血管疾患死]
①低炭水化物群→リスク比1.01(95%信頼区間0.98~1.24)、異質性 : I2=0%・P=0.41
②低炭水化物及び高タンパク質群→リスク比1.53(95%信頼区間0.88~2.67)、異質性 : I2=61%・P=0.05

[心血管疾患の発症]
①低炭水化物群→リスク比0.98(95%信頼区間0.78~1.24)、異質性 : I2=53%・P=0.09
②低炭水化物及び高タンパク質群→リスク比1.55(95%信頼区間1.20~2.00)、1研究のみ

感想

検索の仕方が悪くてうまく探せていないだけかもしれませんが、心血管疾患のリスク因子等の代用のアウトカムを検討した研究ばかりで難儀しましたがなんとか真のアウトカムについて検討されている研究が見つかりました。
メタ解析とは言え観察研究が含まれており、元論文バイアスや出版バイアスの影響がある可能性も否定出来ないため割り引いて考える必要がありますが、心血管疾患による死亡については有意な差はみられていませんが、総死亡のリスクは31%上昇させる事が示唆されています。

ダイエットや糖尿病の治療の際に行われる事のある糖質制限。死亡リスクが高くなる可能性があるとは言えやはり行われる場面もあるのではないかとは思いますが、その際はあまり極端にかつ長期間では行うべきではなく、糖質制限を行い実際に結果にコミットした場合の止め時や食事の戻し方等もしっかり考えて行う必要があるのではないかと思います。