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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

高齢になってからのスタチン開始は効果があるのか?

脂質異常症・脂質降下薬
今回は少し古めの論文を
「Pravastatin in elderly individuals at risk of vascular disease (PROSPER): a randomised controlled trial.」
PMID: 12457784

PECO

P : 血管疾患(冠動脈、脳又は末梢)の既往があるか、又はリスク因子である喫煙・高血圧・糖尿病を有し、血清総コレステロール値が155~350mg/dLである70~82歳の患者(スコットランド・アイルランド・オランダ、5084人)
E : プラバスタチン40mg/日(2891人)
C : プラセボ(2913人)
O : 冠状動脈性心疾患による死亡・非致死性の心筋梗塞・非致死性又は致死性の脳卒中の複合エンドポイント

チェック項目

・研究デザイン : ランダム化比較試験
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 複合エンドポイントのため注意
・ランダム化が行われているか? : 行われている
・盲検化が行われているか? : PROBEが行われている
・解析方法 : ITT解析
・追跡率 : 94%
・追跡期間 : 平均3.2年
・患者背景 : 特に気になるような偏りは見られない、平均年齢75.4歳・男性48.3%
・サンプルサイズ : 5500人(女性3000人・男性2500人、パワー92%)

結果

プラバスタチン群(14.1%) vs プラセボ群(16.2%)→ハザード比0.85 (95%信頼区間0.74~0.97)P=0.014、NNT=48

副次評価項目では
・冠状動脈性心疾患による死亡又は非致死性心筋梗塞→ハザード比0.81(95%信頼区間0.69~0.94)P=0.006

・致死性又は非致死性の脳卒中→ハザード比1.03(95%信頼区間0.81~1.31)P=0.81

感想

高齢になってからのプラバスタチン開始でも血管疾患のリスクが高い患者ではアウトカムを改善させる事が示唆されている。
ただし複合エンドポイントであり、脳卒中に関しては有意差がみられていない。
また、日本で使われる用量(最大20mg/日まで)でこのまま適用出来るかについては考えなければならない。


ちなみに、主要評価項目ではありませんが癌による死亡が[ハザード比1.28(95%信頼区間0.97~1.68)]と有意な差は見られていないものの増加させる傾向がある点が気になりますね。

こちらの試験はその後も監察が続けられており、そちらに関してはまた後程。