読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

糖尿病を合併しているCKD患者の降圧にはどの薬を使うべきか?

「Comparative efficacy and safety of blood pressure-lowering agents in adults with diabetes and kidney disease: a network meta-analysis」
Suetonia C Palmer, Dimitris Mavridis, Eliano Navarese, Jonathan C Craig, Marcello Tonelli, Georgia Salanti, Natasha Wiebe, Marinella Ruospo, David C Wheeler, Giovanni F M Strippoli


・研究デザイン : ネットワークメタ解析

PECO

P : CKDを有する18歳以上の糖尿病患者(43256人、平均年齢52.5
歳)
E : 降圧薬の単独又は併用
C : プラセボ
O : 総死亡・末期腎不全

※腎臓移植を受けた又は透析を受けている患者は除外

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確

・評価者バイアス : 「At least two of three reviewers (SCP, EN, and MR) selected studies and extracted data independently」の記載あり

・出版バイアス : Funnel plotを用いて検討されており、左右対称にプロットされている。

・元論文バイアス : ランダム化比較試験を統合したメタ解析で、「Cochrane handbook for systematic reviews of interventions, version 5.1.0. March, 2011. 」を用いて検討されており、「Risk of bias in studies contributing to the primary outcomes was generally low 」と記載されている。

・異質性バイアス : 総死亡で中等度の異質性があり(τ=0.10)、末期腎不全では異質性は低い(τ=0)

・資金源について : 「The funders had no role in study design, data collection, data analysis, data interpretation, or writing of the report. SCP and GFMS had access to all data in the study and GFMS had fi nal responsibility for the decision to submit for publication.」の記載あり

結果

・総死亡
①ACE阻害薬+Ca拮抗薬→オッズ比0.36(95%信頼区間0.12~1.
05)
②アルドステロン拮抗薬→オッズ比0.28(95%信頼区間0.01~6.46)
③ACE阻害薬+ARB→オッズ比0.84(95%信頼区間0.63~1.11)
④ARB→オッズ比0.87(95%信頼区間0.71~1.07)
⑤Ca拮抗薬→オッズ比0.88(95%信頼区間0.63~1.23)
⑥ACE阻害薬+利尿薬→オッズ比0.72(95%信頼区間0.05~10.2)
⑦ARB+直接的レニン阻害薬→オッズ比0.86(95%信頼区間0.05~14.0)
⑧ACE阻害薬→オッズ比0.94(95%信頼区間0.76~1.15)
⑨直接レニン阻害薬→オッズ比1.05 (95%信頼区間0.81~1.36)
⑩利尿薬→オッズ比1.89(95%信頼区間0.17~21.3)
⑪エンドセリン受容体拮抗薬→オッズ比1.53(95%信頼区間0.79~2.97)
⑫β遮断薬→オッズ比5.13(95%信頼区間0.81~32.4)

・末期腎不全
①ACE阻害薬+ARB→オッズ比0.62(95%信頼区間0.43~0.90)
②ACE阻害薬→オッズ比0.71(95%信頼区間0.51~1.01)
③エンドセリン受容体拮抗薬→オッズ比0.71(95%信頼区間0.44~1.14)
④ARB→オッズ比0.77(95%信頼区間0.65~0.92)
⑤Ca拮抗薬→オッズ比1.04(95%信頼区間0.79~1.38)
⑥直接レニン阻害薬→オッズ比1.21(95%信頼区間0.85~1.70)

感想

末期腎不全についてはARBもしくはARBとACE阻害薬の併用でリスクを有意に下げているが、総死亡については意外にも全ての降圧薬で有意差が見られていない。ただ、利尿薬やβ遮断薬などリスクが上昇する傾向にあるものについては注意すべき。

末期腎不全で透析・腎臓移植が必要となればQOLの低下も重大なものになると考えられるため、結果を見る限りではACE阻害薬+ARBも考慮されるべきなのかもしれないと思うが、いずれにしろ元論文を読んでみる必要がありそうですね。