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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

薬剤溶出ステント留置後のDAPTはいつまで続けるべきなのか?

以前疑問をいただいたステント留置後のDAPT(二重抗血症板療法)ですが、

 

 

今回はそれに関連した論文を。

 
「Optimal duration of dual antiplatelet therapy after percutaneous coronary intervention with drug eluting stents: meta-analysis of randomised controlled trials」
PMID: 25883067
 
 
・研究デザイン : メタ分析
 

PECO

P : 薬剤溶出ステント留置後の患者(32287人)
E : 12ヶ月未満又は13ヶ月以上のDAPTによる治療
C : 12ヶ月間のDAPTによる治療
O : 心血管死・心筋梗塞・ステント血栓症・大出血・全死亡
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 複数設定されているため注意
・評価者バイアス : 「Two independent reviewers (VS and MK) selected the studies」の記載あり
・出版バイアス : funnel plotにより検討されており、「No publication bias was suggested by the funnel plots 」の記載あり
・論文バイアス : 全てランダム化比較試験
・異質性バイアス : 異質性検定が行われている
 

結果

①12ヶ月未満
・心血管死→オッズ比0.95(95%信頼区間0.68-1.33)P=0.76、異質性 : P=0.92・I2=0%
 
・心筋梗塞→オッズ比1.11(95%信頼区間0.87-1.43)P=0.40、異質性 : P=0.81・I2=0%
 
・明確な又はほぼ確実なステント血栓症→オッズ比1.32(95%信頼区間0.83-2.08)P=0.24、異質性 : P=0.65・I2=0%
 
・大出血→オッズ比0.58(95%信頼区間0.36-0.92)P=0.02、異質性 : P=0.93・I2=0%
 
・全死亡→オッズ比0.91(95%信頼区間0.71-1.18)P=0.49、異質性 : P=0.92・I2=0%
 
②13ヶ月以上
・心血管死→オッズ比1.09(95%信頼区間0.79-1.50)P=0.62、異質性 : P=0.22・I2=34%
 
・心筋梗塞→オッズ比0.53(95%信頼区間0.42-0.66)P<0.001、異質性 : P=0.21・I2=37%
 
・明確な又はほぼ確実なステント血栓症→オッズ比0.33(95%信頼区間0.21-0.51)P<0.001、異質性 : P=0.30・I2=18%
 
・大出血→オッズ比1.62(95%信頼区間1.26-2.09)P<0.001、異質性 : P=0.34・I2=7%
 
・全死亡→オッズ比1.30(95%信頼区間1.02-1.66)P=0.03、異質性 : P=0.54・I2=0%
 

感想

主要評価項目が複数設定されているため偶然の影響もあるのかもしれませんが、12ヶ月未満の短期間では大出血のリスクが低くなり、13ヶ月以上では虚血・血栓イベントのリスクは低くなるものの大出血のリスクが高くなる事が示唆されており、更に13ヶ月以上では死亡リスクが高くなることが示唆されている。
 
まあ以前読んだ論文と似たような結果ですね。血栓のリスクが高い場合でなければ13ヶ月以上は続けるべきではないのかもしれません。