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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

NOACはワルファリンと比較して消化管出血が増えるのか?②

心房細動・抗凝固薬

「Comparative risk of gastrointestinal bleeding with dabigatran, rivaroxaban, and warfarin: population based cohort study」

PMID: 25910928
 
 
・研究デザイン : 後ろ向きコホート研究
 

PECO

P : 米国の医療保険データベースから抽出された、新規に抗凝固薬が処方された18歳以上の患者(92816人)
E : ダビガトラン(8578人)・リバーロキサバン(16253人)
C : ワルファリン(67985人)
O : 消火管出血の発症
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・交絡因子の調整 : 傾向スコアによるマッチングが行われている。人種・年齢層・性別・CHADS2スコア・既往歴・併用薬等について調整されている。
・観察期間 : 2010年11月1日から2013年9月30日の間にフォローを開始し、2013年12月31日にフォロー終了
 

結果

①心房細動患者
・ダビガトラン(2.29/100人・年)  vs ワルファリン(2.87/100人・年)→ハザード比0.79(95%信頼区間0.61―1.03)
 
・リバーロキサバン(2.84/100人・年) vs ワルファリン(3.06/100人・年)→ハザード比0.93(95%信頼区間0.69―1.25)
 
②非心房細動患者
・ダビガトラン(4.19/100人・年) vs ワルファリン(3.71/100人・年)→ハザード比1.14(95%信頼区間0.54―2.39)
 
・リバーロキサバン(1.66/100人・年) vs ワルファリン(1.57/100人・年)→ハザード比0.89(95%信頼区間0.60―1.32)
 
※傾向スコアマッチング後も結果は同様
 

感想

前回同様こちらの後ろ向きコホート研究でも消火管出血に有意な差は見られていない。
 
ただし、76歳以上ではダビガトランで心房細動有「ハザード比2.49(95%信頼区間1.61―3.83)」、リバーロキサバンで心房細動有「ハザード比2.91(95%信頼区間1.65―4.81)」・心房細動無「ハザード比4.58(95%信頼区間2.40―8.72)」と有意なリスクの上昇が見られているため、少なくとも高齢者においては消火管出血の既往・消化器症状・併用薬等を考慮しながら消火管出血に注意すべきだろうと思います。