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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

心房細動患者にジゴキシンによるレートコントロールは有効か?

「Digoxin use in patients with atrial fibrillation and adverse cardiovascular outcomes: a retrospective analysis of the Rivaroxaban Once Daily Oral Direct Factor Xa Inhibition Compared with Vitamin K Antagonism for Prevention of Stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillation (ROCKET AF).」

PMID: 25749644
 
 
・研究デザイン : ROCKET AF試験の後ろ向き解析
 

PECO

P : ROCKET AF試験に参加した中等度〜高度の脳卒中リスクを有する心房細動患者14171人(リバーロキサバン又はワルファリンが投与されている)
E : ジゴキシンの投与あり(5239人)
C : ジゴキシンの投与なし(8932人)
O : 全死亡・血管疾患死・突然死
 
脳卒中リスク→脳卒中の既往あり、一過性脳虚血発作の既往あり、全身性塞栓症の既往あり、又は心不全・LVEF35%以下・高血圧・75歳以上・糖尿病のうち2つ以上を有するもの(CHADS2スコア≧2)
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
 
・一次アウトカムは明確か? : 一次アウトカムを脳卒中・全身性塞栓症としたランダム化比較試験の後ろ向き解析である点に注意
 
・調整された交絡因子 : 年齢・性別・経歴・民族・地域・BMI・収縮期と拡張期血圧・心拍数・クレアチニンクリアランス・心房細動の種類・脳卒中又は一過性脳虚血発作・心不全・高血圧・糖尿病・COPD・消化管出血・肝疾患・血管疾患・睡眠時無呼吸・喫煙・飲酒・VK拮抗薬・アスピリン・ACE阻害薬又はARB・抗不整脈薬・β遮断薬・Ca拮抗薬・クロピドグレル・ヘパリン・スタチン
 
・追跡期間中央値 : 707日(95%信頼区間519日-885日)
 
・患者背景 : 年齢中央値73歳・女性40%・心不全あり62%
 

結果

・全死亡
E群(5.41/1000人・年) vs C群(4.30/1000人・年)→ハザード比1·17(95%信頼区間1·04-1·32)、P=0.0093、NNH=901人/年
 
・血管疾患死
E群(3.56/1000人・年) vs C群(2.69/1000人・年)→ハザード比1·19(95%信頼区間1·03-1·39)、P=0.0201、NNH=1667人/年
 
・突然死
E群(1.68/1000人・年) vs C群(1.12/1000人・年)→ハザード比1·36(95%信頼区間1·08-1·70)、P=0.0076、NNH=1786人/年
 

感想

心房細動患者に対するジゴキシンを用いたレートコントロールは死亡リスクを上昇させる事が示唆された。
ただし、ランダム化比較試験の事後解析であり、交絡の可能性もあるため結果の解釈には注意が必要。
とは言え、特に高齢者ではジゴキシンの使用は慎重に考えるべき。