【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

初めにステロイド点鼻の使用?抗ヒスタミン剤の内服?どちらが良いのか?

本日はツイキャスで配信されているJJCLIPさんの抄読会のライブ履歴を視聴しながら論文を読んでみたいと思います。

 


薬剤師のジャーナルクラブ | Facebook

 
「地域医療の見え方」から引用
第7回薬剤師ジャーナルクラブ「花粉症にステロイド点鼻は毎日使うべきですか?」
 
 
「A randomized control trail of stepwise treatment with fluticasone propionate nasal spray and fexofenadine hydrochloride tablet for seasonal allergic rhinitis.」
PMID: 22189593
 
 

 

・研究デザイン : ランダム化比較試験

PECO

P : 16~85歳のスギ花粉に対するアレルギーを有する日本人51人
E : 初めにフルチカゾン点鼻薬100μgを1日2回使用し、症状が悪化した場合にフェキソフェナジン60mg1日2回服用を追加
C : 初めにフェキソフェナジン60mg1日2回を服用し、症状が悪化した場合にフルチカゾン点鼻100μg1日2回使用を追加
O : 鼻水・鼻閉・くしゃみ・鼻の痒みの4つの鼻症状のスコアによるAUCについて検討
 

チェック項目

・ランダム化されているか? : されており、層別化・隠蔽化もおこなわれている
・真のアウトカムか? : 検査値等を検討したものではなく、症状の辛さによりQOLに影響を与えるため真のアウトカムと言える
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・盲検化されているか? : オープンラベル
・ITT解析されているか? : されている
・追跡率 : 96.2%
・追跡期間 : 2007年1月19日~2月9日に登録後、2007年3月末日まで追跡
・患者背景 : 特に気になるような偏りは見られない
 

結果

フルチカゾン群 : AUC中央値45、interquartile range 25-75
フェキソフェナジン群 : AUC中央値109、interquartilerange=75-158
P= 0.0015
 

感想

オープンラベルで行われているが主観的なソフトエンドポイントのため注意が必要とのこと。初期にフルチカゾン群で鼻症状のスコアを有意に低下させているが、正直勉強不足のためこれが臨床的にどれくらい影響を与えるのかがいまいちよくわからないので今後要勉強。
症例に合わせて考えると、職業が何なのかも知りたいところですが、花粉のシーズンは毎日使用する事をおすすめしても良いのかなと思います。
 
次回の抄読会の配信は3/1(日)のようなのでこちらも楽しみです。
 
 
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