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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

コレステロール低下療法で癌の発症リスクは高くなる?

脂質異常症・脂質降下薬

ひとまずコレステロール関係の今まで読んだ論文のまとめ。

まずは

スタチンを服用すると長生きできるのか? - 薬剤師の記録的巻物〜EBM編

 

こちらでは、総コレステロール値≧252mg/dLの人にプラバスタチン(40mg/day)を投与すると非致死性心筋梗塞又は冠動脈疾患による死亡のリスクを有意に下げた。
 
次に

コレステロールを下げれば長生きできるのか? - 薬剤師の記録的巻物〜EBM編

 

血清総コレステロール値が高値(≧240mg/dL)でも死亡リスクの上昇はみられず、むしろ低値(<160mg/dL)で死亡リスクが上昇することが示唆された。
 
お次は

コレステロールを下げれば長生きできるのか? - 薬剤師の記録的巻物〜EBM編

 

冠動脈疾患のリスクが高い人であればコレステロール値を下げる治療で死亡リスクを低下させるが、冠動脈疾患のリスクが低い人だとむしろ死亡リスクを増加させると。
 
更に

血清総コレステロール値が低いと癌になる? - 薬剤師の記録的巻物〜EBM編

 

血清総コレステロール値が低いと(<160mg/dL)癌の発生率が高くなる事が示唆され、更に肝癌の発生率が大幅に高くなる可能性がある。
ちなみに冠動脈疾患の発症リスクは高値(≧240mg/dL)で、男性では有意に増加しているが女性では増加する傾向にあるものの有意差はなし。
 
最後に
 
ここまで読んで、血清総コレステロール値が低いと癌の発生率が高くなるかもしれないというところが気になったので、今回はコレステロール低下療法と癌についてちょっと調べてみたいと思います。
 
P : 血清総コレステロール値が高い患者が
E : コレステロール低下療法を行うと
C : コレステロール低下療法を行わない場合と比べて
O : 癌の発生率は高くなるのか?
 
といった感じで調べてみます。
Pubmedで少ない語彙力を駆使して「cholesterol cancer」と入力し、更に「Etiology/Narrow」を選択して検索してみると始めに出てきたのが「Mortality and cancer in relation to ABO blood group phenotypes in the Golestan Cohort Study.」
何この興味をひかれるタイトル。超気になる。
 
まあこれは後で読むことにしてピッタリきそうなタイトルを探していると出てきたのが、
 
「Statin use and risk of liver cancer: an update meta-analysis.」
PMID: 25227628
 
PECOを探してみると
P : 5641303人の患者
E : スタチンの服用あり
C : スタチンの服用なし
O : 肝癌の発症リスク
 
とうい感じで疑問のPECOに当てはまりそうなので内容をチェックしていきたいと思います。
 

チェック項目

・研究デザイン : メタ分析
・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・アウトカムは明確か? : 明確
・評価者バイアス : 「Two independent investigators (MSandXC) extracted data from the eligible studies using a prede fined data  collection form.」の記載あり
・出版バイアス : 「The p values of Begg’s test and  Egger’s test were 0.669 and 0.749,respectively,both suggesting there was no evidence of publication bias.」の記載あり
・元論文バイアス : RCTだけでなく、コホート研究やケースコントロール研究も含まれている。
・異質性バイアス : 異質性検定が行われており、P値が0.05より小さい
 

結果

スタチンあり群 vs スタチンなし群→リスク比0.58(95%信頼区間0.51-0.67)
 

感想

癌の発症リスクが高くなるどころか、スタチンの服用で肝癌発症のリスクが42%有意に下がるという結果ですが、異質性が高く観察研究を含んでいるメタ分析のため結果は示唆されるに留まるかと思います。
いずれにせよまだまだ調べてみないとわからないですね。