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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

手術前に経口抗凝固薬の中断をした場合は短時間作用型の抗凝固薬を投与した方が良い?

心房細動・抗凝固薬

「Use and Outcomes Associated with Bridging During Anticoagulation Interruptions in Patients with Atrial Fibrillation: Findings from the Outcomes Registry for Better Informed Treatment of Atrial Fibrillation (ORBIT-AF) 」

PMID: 25499873
 
 
・研究デザイン : コホート研究
 

PECO

P: 経口抗凝固薬による治療を受けている心房細動患者(ワルファリン・ダビガトラン)で、手術を受けるため経口抗凝固薬を中止
E : 短時間作用型の抗凝固薬(低分子ヘパリン・未分画ヘパリン・フォンダパリヌクス又はその他)を投与(Bridgingあり)
C : 短時間作用型の抗凝固薬を投与しない(Bridgingなし)
O : 30日以内の出血イベント・心血管イベント・その他の有害事象(心筋梗塞・大出血・脳卒中・全身性の塞栓症・入院・死亡)
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・調整した交絡因子は何か? : 年齢・eGFR・性別・脳血管イベントの既往・心臓弁膜症の有無・弁置換の既往・消化管出血の既往・心不全の有無・心房細動の種類・左房径・教育レベル・CHADS2スコア・経口抗凝固薬の種類
 

結果

・出血イベント
Bridgingあり5.0%・Bridgingなし1.3%→調整後オッズ比3.80(95%信頼区間2.07-7.14、P<0.0001)、NNH=27人
 
・心血管イベント
Bridgingあり4.6%・Bridgingなし2.5%→調整後オッズ比1.62(95%信頼区間0.95-2.78、P=0.07)、NNH=48人
 
・ その他の有害事象
Bridgingあり13%・Bridgingなし6.3%→調整後オッズ比1.94(95%信頼区間1.38-2.71、P=0.0001)、NNH=15人
 

感想

手術前に経口抗凝固薬を中断してブリッジングすることで出血イベントのリスクは3.8倍、心筋梗塞・大出血・脳卒中・全身性の塞栓症・入院・死亡の複合エンドポイントのリスクは1.94倍高くなるという衝撃的な結果。心血管イベントについても有意差はついていないもののリスクが増加する傾向にあるようです。
あくまでも観察研究なので示唆されるに留まるかと思いますが、ワルファリン治療中の患者を対象に、ヘパリンによるブリッジング群とプラセボ群を比較したRCTも行われているようなのでそちらの結果を待ちたいです。