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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

コレステロールを下げれば長生きできるのか?

「Cholesterol lowering and mortality:the importance of considering initial level of risk」

PMID: 8518602
 
 
・研究デザイン : メタ解析
 

PECO

P : 特に記載なし。全体では18~75歳。
E : 6ヶ月以上のコレステロール低下治療
C : プラセボやダイエット又は通常治療
O : 総死亡・冠動脈疾患による死亡・冠動脈疾患以外による死亡
 

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
 
・元論文バイアス
→「As the groups of participants included in the  randomised trial softherapeutic cholesterol lowering were highly heterogeneous」の記載あり。
・出版バイアス
→「Using Medline and BIDS(BathInformationDataServices),previous overviews,and information from experts」の記載あり。
 ・評価者バイアス
→「Published data have been supplemented through contacts with the researchers」の記載あり。
・異質性バイアス
→「cholesterol lowering were highly heterogeneous」の記載があり、ブロボグラムでも方向性が一致していない。
 

結果

冠動脈疾患のリスク別に
 
・高リスク群(>50/1000人年)
総死亡→オッズ比0.74(95%CI 0.60-0.92)
冠動脈疾患による死亡→オッズ比0.74(95%CI 0.60-0.91)
冠動脈疾患以外による死亡→オッズ比0.95(95%CI 0.65-1.40)
 
・中リスク群(10~50/1000人年)
総死亡→オッズ比0.96(95%CI 0.84-1.09)
冠動脈疾患による死亡→オッズ比0.92(95%CI 0.77-1.09)
冠動脈疾患以外による死亡→オッズ比1.07(95%CI 0.94-1.21)
 
・低リスク群(<10/1000人年)
総死亡→オッズ比1.22(95%CI 1.06-1.42)
冠動脈疾患による死亡→オッズ比1.15(95%CI 0.80-1.64)
冠動脈疾患以外による死亡→オッズ比1.33(95%CI 1.09-1.63)
 

感想

コレステロールを下げる治療は冠動脈疾患のリスクが高い人であれば死亡リスクを低下させるが、冠動脈疾患のリスクが低い人だとむしろ死亡リスクを増加させるという結果に。異質性が高いため注意が必要ですが。
 
コレステロールに関する論文をこれまで3つ読んだ時点では、やはり総コレステロール値を下げれば長生きできるというようなものではないようですね。
 
ただ、プラバスタチンの長期投与で死亡リスクが低下したというのを含めて考えるとスタチンでは検査値には示されない心血管疾患の予防効果があるというのも少し見えてきたような気がします。