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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

総コレステロール値が高いと死亡リスクも高くなるのか?

日経メディカルに書かれている青島先生の記事
の論文を読んでみます。
既に解説があるので安心でございますw

「Low cholesterol is associated with mortality from stroke, heart disease, and cancer: the Jichi Medical School Cohort Study.」
PMID : 21160131


・研究デザイン : コホート研究

PECO

P : 40~69歳の日本人(12490人)
E : ①総コレステロール値<4.14mmol/L(<160mg/dL)
②総コレステロール値5.17~6.20mmol/L(200~239mg/dL)
③総コレステロール値≧6.21mmol/dL(≧240mg/dL)
C : ④総コレステロール値4.14~5.16mmol/L(160~199mg/dL)
O : 総死亡

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・調整された交絡因子は何か : 年齢・喫煙(喫煙している/以前喫煙していた/喫煙したことがない)・飲酒(日常的に飲酒している/日常的に飲酒していた/日常的に飲酒したことがない)・収縮期血圧・HDLコレステロール値・BMI(<18、18~21、22~25、≧26)について調整されている
・追跡期間 : 11.9年
・追跡率 : 96%

結果

④の「総コレステロール値160~199mg/dL」(死亡率:男性10.27/1000人年、女性4.68/1000人年)を基準とした場合

・男性における総死亡
①死亡率15.08/1000人年、調整後ハザード比1.38(95%信頼区間1.13ー1.66)
②死亡率10.10/1000人年、調整後ハザード比1.09(95%信頼区間0.88ー1.34)
③死亡率8.77/1000人年、調整後ハザード比1.21(95%信頼区間0.82ー1.78)

・女性における総死亡
①死亡率4.25/1000人年、調整後ハザード比1.42(95%信頼区間1.02ー2.00)
②死亡率5.01/1000人年、調整後ハザード比0.93(95%信頼区間0.73ー1.17)
③死亡率4.95/1000人年、調整後ハザード比0.93(95%信頼区間0.67ー1.30)

感想

男性と女性では差がありますが、総コレステロールが高値でも総死亡に対して有意な差はなくむしろ低値で有意に死亡のリスクが増加しています。
ちなみに死因別にみると総コレステロール低値で男性では癌による死亡が有意に増加しているようです。これはたまたまかもしれませんが。

未知の交絡の可能性もありますが、なかなか衝撃的な結果ですね。ただ、それよりも死亡率が男性よりも女性の方が低いところが非常に気になりますね。