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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

スタチンを服用すると長生きできるのか?

脂質異常症・脂質降下薬
「PREVENTION OF CORONARY HEART DISEASE WITH PRAVASTATIN IN MEN WITH HYPERCHOLESTEROLEMIA」
PMID: 7566020


・研究デザイン : RCT

PECO

P : 非絶食時の総コレステロール値が252mg/dL以上で、心筋梗塞の既往がなく、低脂質による食事療法の指導を受けていない45~64歳の患者(6595人)
E : プラバスタチン40mg/day(3302人)
C : プラセボ(3293人) 
O : 非致死的な心筋梗塞又は冠動脈疾患による死亡

チェック項目

・真のアウトカムか? : 真のアウトカム
・アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化されているか? : されている
・盲検化されいるか? : 二重盲検が行われている
・ITT解析されているか? : されている
・結果を覆すほどの脱落者はいるか? : 5年間における脱落者はプラバスタチン投与群で29.6%、プラセボ群で30.8%。2群間で有意な差はないと書かれているが、脱落者は多い印象。
・追跡期間 : 平均4.9年
・患者背景 : 特に偏りは見られない

結果

非致死的な心筋梗塞又は冠動脈疾患による死亡の発生率はプラバスタチン投与群5.5%・プラセボ群7.9%で、リスク低下(RR)は31%(95%信頼区間17%-43%、p<0.001)と有意差あり。NNTは42人。

個別に見ると、非致死的な心筋梗塞ではプラバスタチン投与群4.6%・プラセボ群6.5%、リスク低下31%(95%信頼区間15%-45%、p<0.001)で有意差あり。NNTは53人。
冠動脈疾患による死亡ではプラバスタチン投与群1.2%・プラセボ群1.7%、リスク低下28%(95%信頼区間-10%-52%、p=0.13)と有意差なし。NNTは200人。

感想

一次エンドポイントでみるとリスクを有意に下げますが、死亡だけをみるとリスクを下げる傾向にあるものの意義のある治療かどうかはわからないと感じます。
脱落者が多いのがちょっと気になりますね。

ちなみにこの試験はその後も追跡が行われ(最長で22年)、20年以上追跡した結果では冠動脈疾患による死亡はスタチン群がプラセボ群よりも27%有意に減少し(p<0.001)、全死亡も13%有意に減少した(p<0.001)というような結果が得られているようです。長期間の投与では死亡リスクが低下するということなのでしょうかね?