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【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

2型糖尿病患者は血糖値・血清脂質・血圧を下げた方が長生きできるのか?

脂質異常症・脂質降下薬 糖尿病・血糖降下薬 高血圧・降圧薬

「Effect of a Multifactorial Intervention on Mortality in Type 2 Diabetes」

PMID: 18256393

 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18256393

 

・研究デザイン : RCT(STENO-2試験の延長試験)

 

PECO

・P : 微量アルブミン尿が認められる2型糖尿病患者に(80人)
・E : 血糖値・血清脂質・血圧に対する強化治療を行った場合(80人)
・C : 標準的な治療を行った場合と比べて
・O : 死亡について検討
 
※強化治療→HbA1c6.5%未満・総コレステロール175mg/dL未満・トリグリセリド150mg/dL未満・血圧130/80mmHg未満
標準治療→デンマークでのガイドラインに準じた治療、HbA1c7.5%未満・総コレステロール250mg/dL未満・トリグリセリド195mg/dL未満・血圧160/95mmHg未満
 
 

チェック項目

・真のアウトか? : 真のアウトカム
・一次アウトカムは明確か? : 明確
・ランダム化されているか? : されている
・盲目化されているか? : オープンラベルで行われている
・ITT解析されているか? : されている
・結果を覆すほどの脱落者はいるか?: 脱落者は1.88%なので問題ないと思われる
・追跡期間 : 13.3年
 

結果

全死亡は強化治療群で24例、標準治療群で40例、ハザード比0.54・95%信頼区間0.32 - 0.89・P=0.02と有意に死亡リスクを低下させた。
副次評価項目では心血管死と心血管イベントについて検討されており、こちらも心血管しではハザード比0.43・95%信頼区間0.19 - 0.94・P=0.04、心血管イベントではハザード比0.41・95%信頼区間0.25 - 0.67・P<0.001とリスクを有意に低下させていた。
 

感想

オープンラベルで行われているため注意が必要だが、血糖・血清脂質・血圧に対する厳格な管理が死亡リスクを低下させることが確認された。ただし、例えば厳格な血糖管理が死亡リスクを増加させることが示唆された研究や、血圧に対して強化療法群(収縮期血圧<120mmHg)と対照群(収縮期血圧<140mmHg)を比較した研究では死亡リスクに有意差を認めず重篤な有害事象の発生率が高かったものもあり、むやみに検査値を下げるような治療は避けるべきだと思う。
 
とは言え、死亡や大血管病変・小血管病変のリスクを下げるには血糖値の厳格な管理のみを行うよりも多因子に対する介入を行った方が効果がある事は間違いなさそう。