【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

SGLT2阻害薬 vs DPP-4阻害薬

http://care.diabetesjournals.org/content/36/9/2508.full

 
「Canagliflozin Compared With Sitagliptin for Patients With Type 2 Diabetes Who Do Not Have Adequate Glycemic Control With Metformin Plus Sulfonylurea A 52-week randomized trial」
 
新しい経口血糖降下薬同士による直接対決のRCTで興味深いですね。
ではいつものワークシートに従っていきます。
 
・研究デザイン : RCT
 
・PECO
P : メトホルミンとSU剤を服用しても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者
E : カナグリフロジン300mgを投与(378人)
C : シダグリプチン100mgを投与(378人)
O : HbA1cはどう変化するか
 
・真のアウトカムか? : 代用のアウトカム
 
真のアウトカムではなく、代用のアウトカムによる評価なので読むのはもうここで止めてしまいましょう。
 
一応結果としては、52週でカナグリフロジン300mg投与群はシダグリプチン100mg投与群と比較してHbA1cの低下の差が-0.37%(95%信頼区間-0.50 ~ -0.25)となるようです。ただし、カナグリフロジンの方は日本で使える用量よりもかなり多いので注意が必要です。
有害事象の発生率についてはカナグリフロジン300mg投与群で76.7%、シダグリプチン100mg投与群で77.5%と同程度ですが、カナグリフロジン300mg投与群だけ死亡例が2例あるのが気になるところですね。
 

 

この辺の新しい薬は真のアウトカムによる評価は気長に待つ必要がありそうです。まあいずれにせよ2型糖尿病に関して現時点では基本的には、大血管症及び死亡を減少させる唯一の経口血糖降下薬であるメトホルミンが第一選択薬であるべきだと考えます。