【薬局薬剤師の記録的巻物】

EBMの実践のため、論文を読み、記録していきます。

長時間作用性β2刺激薬と死亡

「Long-acting β-agonists with and without inhaled corticosteroids and catastrophic ashtma events」PMDI:20176343

メタ解析

 

・PECO

P : 喘息患者(平均年齢38.3歳、男性45.3%)

E : 長時間作用性β2刺激薬を最低3ヶ月以上使用

C : プラセボ又は長時間作用性β2刺激薬と吸入ステロイドを最低3ヶ月以上使用

O : 喘息に関連した気管挿管又は死亡

 

・真のアウトか : 真のアウトカム

 

・評価者バイアス : 2人のレビュアーが個別にデータを集めている

 

・出版バイアス : 以前のメタ解析の調査者やスポンサーとコンタクトを取っている、Funnel Plotは使用していない

 

・元論文バイアス : すべてRCTであり、すべてのRCTが二重盲検でITT解析されている

 

・異質性バイアス : ブロボグラムは視覚的に見てそれぞれの結果の方向性が一致している。異質性検定では全て有意差なし。

 

・結果

β2刺激薬 vs プラセボ→オッズ比1.83、95%信頼区間1.14-2.95

β2刺激薬 vs ステロイド→オッズ比3.65、95%信頼区間1.39-9.55

トータル

β2刺激薬 vs コントロール群→オッズ比2.10、95%信頼区間1.37-3.22

NNT=625

 

・感想

オッズ比で2倍のリスクで、喘息の患者さん625人を長時間作用性β2刺激薬で治療すると1人気管挿入か死亡するという割りと衝撃的な結果。ステロイド+LABAの合剤について考えさせられますね。